子どものうちから適切な口腔ケアを行うことは、将来の虫歯リスクを減ずるだけでなく、全身の健全な発育を促すうえでもとても大切です。「永久歯じゃないから放っておいても大丈夫」というのは誤り。乳歯であっても適切な口腔ケアを行わなければ歯並びなどに影響してきます。また、この時期に気をつけてほしいのは親御さんの仕上げ磨きと甘いものを与えるタイミング。虫歯になりにくい生活習慣を身につけるためにも、これらを正しく行っていくことが大事です。
小児歯科では虫歯をケアするだけでなく、口腔の発育が健全かどうかを注意して診ていきます。咬み合わせや舌の癖といった口腔の状態は、全身の健康や性格にも影響を及ぼします。例えば、常に口が半開きになっているようなお子さんは、口呼吸になったり、将来的に歯茎がむき出しになったりするリスクがあります。さらに、口呼吸の癖がつくと姿勢が悪くなるほか、アレルギーになりやすくなったり、ADHDになりやすかったりもするのです。寝るときや抱っこするときの姿勢も口腔の発育に影響するため、生活スタイルなどを丁寧に診ていく必要があります。
お子さんの歯科治療を行う場合、当院ではまずキッズスペースで好きなものの話をしたりし、歯科医師や院内の雰囲気に慣れてもらうところからスタートします。恐怖心を払拭できるまでは、とにかく慣れてもらい、何も治療せずに終了することもあります。泣いて怖がるところを無理やり治療してしまうと、歯科治療がトラウマになってしまい、大人になってからも歯科を敬遠するようになってしまいます。そうならないためにも、お子さんの立場になり、焦らずに診療していくことを大切にしています。
だ液検査はWHO(世界保健機構)の調査でも使われている最新の科学的検査法です。あなたの本当のむし歯の原因がわかります。むし歯の原因は主に3つ。これらを上手にコントロールできればむし歯は予防できます。
検査は簡単・短時間、もちろん痛くありません!
イスにリラックスして腰掛けた状態で、味のついていないガムを噛みながら、静かに唾液を出します。(5分間)
唾液が多く出るほど、口の中の食べ物を早く洗い流します。また、抗菌作用が働きます。そして、歯の質を強くします。
検査用紙が5分後に何色になっているか調べ、唾液の中和力を調べます。食後の歯がとけやすい環境から、どれくらい早く通常の状態に戻るのかが分かります。
検査棒を舌にあて、だ液からむし歯菌を検出し、どんな菌が多いのか調べます。
結果が出るまでに少し時間が掛かりますので、再度ご来院いただきます。その際、検査結果とお子様が実行しやすい効果的なむし歯の予防法をご提案します。もし、今むし歯になりやすかったとしても、これから先、むし歯にならない可能性を大幅に高める事ができます。
お子様の歯のエナメル質は薄くて弱いのが特徴です。そのため、虫歯の進行があっという間に進んでしまうリスクが常にあります。歯科医院でフッ素塗布を行えば、エナメル質を強化してくれるので虫歯のリスクを最小限に抑えられます。お子様の歯の状態は大人になってからも引き継がれるので、是非フッ素を用いて、効果的な虫歯予防に繋げましょう。
シーラントとは、奥歯の溝を薄いプラスチックで塞ぐ虫歯予防法です。奥歯の溝は深く複雑で、ブラッシングだけでは完全に歯垢を除去する事はとても難しい事です。シーラントを奥歯に詰める事によって奥歯の溝を塞いで、バクテリアが付着しにくくする予防法です。